【結論から話す技術】若手こそ徹底したい「PREP法」

はじめに:なぜ、あなたの報告には「結論ファースト」が必要なのか?

前回の記事で、上司や先輩への報告には「結論から伝えること」が不可欠だとお伝えしました。

これは単なるマナーではなく、相手の貴重な時間を奪わない「敬意の表明」であり、あなたの報告を最短で「信頼」に変える戦略です。

「結論から伝えると良い」と頭ではわかっていても、「理由がうまく続かない」「具体例で話が脱線する」といった壁にぶつかるのが若手社員の共通の悩みです。

この壁を乗り越えるために必要なのが、「話の設計図」です。本記事では、「結論ファースト」を最強の武器にするための具体的な設計図、PREP法(プレップ法)を徹底解説します。

1.最強のフレームワーク「PREP法」とは?

PREP法は、ビジネスにおける報告、プレゼンテーション、メール作成など、あらゆる場面で「論理的に、わかりやすく伝える」ための基本となる文章構成です。

P(point)結論・要点最初に最も伝えたいことを断言し、相手の関心を引く。
R(reason)理由理由 なぜその結論に至ったのか、その背景や根拠を説明する。
E(example)具体例理由を裏付ける具体的なデータ、事例、詳細な経緯を示す。
P(point)結論の繰り返し もう一度結論を繰り返し、全体を要約して印象づける。

なぜPREP法を使うと伝わるのか?

PREP法は、聞き手の頭の中に「大きな箱」を最初に作る働きをします。

結論(P)で箱を作る: 「今日はA案について話すのか」と、聞く準備をさせる。

理由・具体例(R・E)で箱に整理して入れる: 理由と根拠が、結論という枠の中で整理されて収まる。

結論(P)で蓋をする: 最後に結論を再確認することで、記憶に定着させ、納得感を高める。

2.PREP法の実例と応用(シーン別)

このフレームワークは、報告から提案まで、様々なシーンで応用できます。

【実例1】上司への進捗報告(納期遅延の相談)

P (結論)結論から申し上げますと、Aプロジェクトの納期を明後日の午前中に変更をお願いしたいです。結論と、代替案(いつまでに)をセットで伝える。
R (理由)理由としましては、昨日発生したシステムエラーにより、データ抽出作業に約8時間の遅延が発生したためです。事実に基づいた具体的な理由を述べる。
E (具体例)具体的には、深夜までかかってエラー対応は完了しましたが、影響範囲の確認と再集計に最短でも本日一杯かかります。他の作業を止めても、今日の終業時間までの完了は不可能です。 根拠となる具体的な時間や状況を提示する。
P (結論)つきましては、スケジュールの安全性を考慮し、納期の変更を重ねてお願い申し上げます。結論を繰り返して締めくくる。

【実例2】チームへのアイデア提案(会議にて)

3.PREP法を最強の武器にするための3つのコツ

ただ型に当てはめるだけでなく、以下のコツを意識することで、報告の質は劇的に向上します。

コツ1:結論の前に「目的・要件」を添える

PREP法を使う際、特に多忙な上司への報告では、結論の前に**「何に関する報告か」**を一言添えましょう。

改善前: 「納期を明後日に変更したいです。」(→ 上司:「何の納期だ?」となる)

改善後: 「Aプロジェクトの納期変更に関するご相談です。」→(P)結論から申し上げますと…

上司は「納期相談」という目的を先に把握できるため、その後の結論と理由がスムーズに頭に入ります。

コツ2:「なぜなら」「たとえば」「したがって」を口癖にする

PREP法の構造を体に染み込ませるには、各パートをつなぐ接続詞を意識的に使いましょう。

P→R: 「なぜなら」「その理由は」

R→E: 「たとえば」「具体的には」「事実として」

E→P: 「したがって」「以上の理由から」

これらの接続詞を使うことで、聞き手は**「今、話のどの部分を聞いているのか」**を理解でき、話の論理的な流れを追う手助けになります。

コツ3:結論と理由の間には「事実と解釈」を混ぜない

前回の記事で指摘した通り、最も報告を複雑にするのは事実と**解釈(自分の意見や感情)**の混在です。

  • 事実(E): 「データ抽出に8時間遅延した」
  • 解釈(R): 「そのため、納期を変更すべきだと判断した」

理由(R)を説明する際、「自分はこう感じたから」といった感情は極力排し、客観的な事実(E)に基づいた判断を根拠として述べるようにしましょう。

4.注意点:結論ファーストが「逆効果」になる場合

PREP法は強力ですが、万能ではありません。特定の状況では結論から話すことが逆効果になるため注意が必要です。

注意点1:相手が完全に初見の情報である場合

相手が全く予備知識を持たない状態(例:初めて会う顧客への企業紹介、専門外の上司への技術的な提案)で、いきなり結論だけを伝えても、相手は**「前提知識」**がなく理解できません。

対応: この場合は、SDS法(Summary / Detail / Summary)やDESC法など、結論の前に**概要(背景や全体像)**を伝えるフレームワークを検討しましょう。

注意点2:失敗報告やネガティブな状況を伝える場合や、自分の失敗や大きなトラブルを報告する場合、いきなり結論から伝えると、相手に拒否感や不信感を与えてしまうリスクがあります。

対応: まず、**「申し訳ございません」という謝罪や、「重要な報告があります」というクッション言葉を挟み、その後「結論(現状)」を伝えます。

そして、理由を述べる代わりに「対策」**をセットで提示することで、ネガティブな報告を「問題解決」の議論へと変換しましょう。

結論:PREP法は「思考の設計図」である

PREP法は、単なる話し方のテクニックではなく、**「自分の思考を論理的に整理する設計図」**です。

日常のメールやチャットでの報告から訓練を始め、「結論ファースト」をあなたの最強の武器へと昇華させていきましょう。

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